2011年4月7日木曜日

こんな天気のよい日には

いつもはひとりでふらふらしている歩きなれた池袋を、今日はふたりで一緒に歩いた。
女の子にしては少し歩幅の広いふたりで、ざくざく歩いた。


言いたいことをなんでも言える、そういう間柄の子。そういう子とは話すことはもとより、一緒にいることがとても心地よい。
ふたりして「あったかいねえ」「きもちいいねえ」って、たくさん歩いた。途中スターバックスでフラペチーノを買って、クリームをすくいながら。くだらなーいことでからから笑いながら。とにかく歩いた。


東京に出てきてもう3年目、ハタチになった。高知にいたときは花も空も色が綺麗なのは当たり前で、取り立てて綺麗だなんて思ったことは一度もなかった。それを楽しむだけの余裕がなかったということもあるし、それが決して特別でない日常の風景であったから。
だけど今日、東京らしい霞がかかった群青色の空に薄い桃色の桜の花びらが、もうちょっとくらっとくるほど綺麗に見えてしまった。いつも通っている図書館のそばの小さな公園が、桜の季節はこんなに綺麗だったなんてぜんぜん知らなかった。


桜の木の下でつっ立ったまんま、ぼけーっと空とビルと桜とをながめながらじゃくじゃくフラペチーノ飲んで、まあそれだけっちゃあそれだけなんだけど驚くほど気持ちがゆったりとしたあったかいものでいっぱいになった。


今まではもっと分かりやすい強い感覚、色も音もかたちもなにもかも強くて激しいものでないとうまくキャッチできなかったというか。例えばお化粧も、ファッションも、なにもかも強くてきつくてはっきりしたものを好んでたの。でもこのごろはもっとふわっとした居心地のよさとか、余計なものがくっついていない、過不足なく自分にぴったり添うメイクやお洋服を選ぶようになった。

季節だって春と秋は正直なんだか中途半端で、おもしろくないなあってずっと思っていた。
春がこんなにきもちよくてあかるくていいにおいのするものだとは。生まれてはじめてそんな風に感じられた。

ましてやきれいな景色をなにするでもなく眺めてこんな豊かな気持ちになれるなんて、あたしにもできるんだなあってびっくりして、すこしは大人になったのかしらん、なんてちょっといい気分になりました。


またこんど、もう少し遠くにピクニックに行く約束をして、駅で手を振ってわかれた。
ご飯を食べて、話して歩き回った、それだけのことだけど。

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