2011年1月31日月曜日

インターネットのこと:ソーシャルネットワーク

ソーシャルネットワーク、観てきました。
それをきっかけに考えたことを、だああっと殴り書きしておこうと思います。


たくさんのひとがつながるっていう、それ自体に意味があるんだと思っていて。
なんだか私のまわりではインターネットに対して恐怖心や不信感を抱いているひとが多いように感じますが、この気持ち、警戒心こそが良い意味でも悪い意味でもカギを握っているのでは?と思いました。

「ちょっといっぱいつくりすぎたがよ~」って、むかいのおばちゃんがおはぎ持って勝手口からいきなり入ってきたり、夕方「干物ようけもろたき!」って隣のおんちゃんが庭から塀からビニールぶら下げて大声で呼んでくれたり。
朝学校行く時は、そのへんのおばちゃんおんちゃんにも「おはよう」って挨拶しながら行ったし、もちろん帰りも道を通る人たちが「おかえり」って声かけてくれた。
ただし遅い時間に帰ったり、買い食いしたり、そういうのは内緒にしてても絶対近所のひとに見られてて、全部ばれちゃうんだけどね!
商店街のお肉屋さんで母が立ち話をしている途中で、百円玉を飴と間違えて飲み込んじゃった私をみんなが助けてくれた。遊んでるうちにどぶに落ちたうちの妹も、みんなが助けてくれた。
近所のひとはほとんど顔と名前を知っている、田舎の小さな町で暮らしていた私にとっては全部当たり前のこと。

だけどそういう感覚も私が生きてきた、たった20年の間で相当変化した実感があって。うちの隣にはマンションが建って、もうどんなひとが住んでるのか全員は分からない。
むかいのおばちゃんはもう死んじゃったし、隣のおじちゃんは足が悪くて家からほとんど出ない。その介護で一緒に住み始めた息子さん家族は、近所と関わらない。
小さい頃に教わって、当たり前のようにしていた「あいさつ」が、みんながしなくなったおかげでいつの間にか褒められるようなことになっていた。
商店街は区画整理でなくなって、お肉屋さんも八百屋さんもパン屋さんもなくなって、その上に大きな道路ができた。ファミマもスタバもローソンもシネコンも、高知に元々なかったものは入ってきたけど、近所の中華屋さんもモーニングがおいしい喫茶店も、いろんな映画を観に行った小さな映画館もぜんぶなくなった。

そういう風に人と人がつながってるって、うっとうしいしめんどくさいし、息苦しいかもしれない。今の世の中には必要ないってみんなが思ったから薄れていったのかもしれない。だけどみんな、本当は誰かとつながっていたいはず。
たとえばTwitterでおはよう、ただいま、おかえり、おやすみってよく見るけど、そういう気持ちが根底にあるのでは?
だから「つながる」ってこと自体が注目されてるんじゃないかな。

インターネットは危ないだとか、顔が見えないひとがどうのこうのってよく聞くけれど、それは個人の判断力の問題だと基本的には思います。
現実の世界でだって、詐欺や嘘やそういうことをしようとするいやーな人たちは、とうの昔から存在しているわけで。対面のコミュニケーションではないから、その分注意を払わなければいけないことはあれど、自分がしっかりとした判断能力を持っていないと危ないことにはかわりがない。

例えば出会い系サイトだって、男女が勝手に出会ってそれをキッカケに恋愛してなんてそれ自体に問題はないわけで。それを悪用するひとと、その嘘を見抜けないひとがたくさんいるから、事件が頻発して出会い系=危ないというイメージがついてしまう。
それは「出会い系サイト」というツール自体が悪いのではなくて、使うひととその使い方が悪いだけなのに。

始める前から理由をつけて尻ごみするのは簡単だけれど、ぽーんと飛び込んでしまえばなんてことなかったりする。嫌ならやめちゃえばいい。やってみないで嫌な噂だけを聞いて、それをまたばらまくことに果たして意味はあるのかしら。
反対に、自分にとって良いことであってもそれを盲信的に信じてしまうこともとっても危ない。
自分が見て聞いて触って、きちんと自分の感覚で感じて、自分の頭で判断することをしないでいれば、そりゃあ判断能力も鈍ってしまうよね。

インターネットも現実も、そういう部分ではなんら違わない。冒頭で述べた「良い意味でも悪い意味でも」というのはこういうこと。

少なくとも私は怖がりだし臆病だし泣き虫だけど、そのせいで目の前にごろごろ転がってる「たのしいこと」をみすみす逃したくない。多少痛い目みても、なにもしないよりははるかにマシだと思っています。もちろん、悪い頭をフル回転させて必死に考えて動いて判断した上で。

Facebookが日本で流行るか否かを議論したり、ああすればいいこうすればいいって話し合うのは私たちのすることじゃない。天才に嫉妬することでも憧れることでもない。
天才じゃない、お勉強のできない、だけど面白いことも楽しいことも大好きな私には何ができるんだろう。そもそも私は何をしたいんだろう。
そういう風に一生懸命頭を働かせるきっかけになる映画でありました。

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